“傾いた家”や“サッシが閉まらなくなった家”はリフォームで直せる?|原因・修繕方法・費用の目安を徹底解説

「ドアや窓が閉まりづらくなった」
「家が傾いているのかな?」
「どこに相談すればいいのかわからない」
「ローンもまだ残っているのに、建て替えなんて無理…」
その違和感、放置していませんか?
こうした声は、家が傾き始めたサインを見逃さず、早期に対応した方々の「最初のきっかけ」です。
はじめは小さな違和感でも、放置すれば家の安全性や資産価値に直結する深刻な問題になることがあります。
目次 [閉じる]
1.傾いた家に住んでいる方の切実な声

実際に「傾いてしまった家」にお住まいの方からは、次のような声が多く聞かれます。
「ドアや窓が閉まりづらくなった…」
「床にビー玉を置くと転がっていく…」
「家具の位置がズレている…」
「目に見えるヒビや歪みが怖い。雨の日にミシミシ音がする…」
「家の資産価値がなくなるのでは…」
「このまま放っておいたらどうなるのかが怖い…」
「調べても専門用語ばかりで、自分では判断できない…」
「歩いていると気持ち悪くなる…」
「いつの間にか傾いていて、最初は気のせいかと思ったけれど、生活していると確実にわかる」
こうした声には、生活上の不便さだけでなく、「将来への不安」や「どこに頼っていいかわからない孤立感」がにじみ出ています。
「修理したいけど、いくらかかるのか全く想像がつかない」
「地震が来たら崩れるんじゃないかと毎晩不安になる」
「役所?業者?保険会社?みんな責任を押し付け合うだけだった」
傾きや歪みの修繕は、原因によって大きく費用が変わるため、最初から明確な見通しを立てにくいのが実情です。
さらに、行政や保険、複数の業者が関わることも多く、住民の側にとっては複雑でわかりにくい問題となりがちです。
2.家が傾くとどうなる?放置してはいけない理由

家の傾きは、放置すると次のような深刻な影響が出ます。
(1)日常生活への支障
歩いているとめまいや体調不良を感じることがあります。
家具のズレ・建具の不具合など、生活そのものにストレスが生じてしまいます。
(2)建物の耐久性や資産価値への影響
傾きは建物全体の構造に影響し、耐震性の低下や老朽化の進行を早めます。
将来的な売却や相続において資産価値が大きく下がる可能性があります。
(3)火災保険や地震保険の申請期限
保険の適用には期限があります。
災害による不同沈下などの場合、早期に申請しないと保険金が受け取れないケースもあります。
3.家が傾く主な原因

家が傾く原因は一つではなく、地盤・建物・自然災害・施工など、複数の要因が重なっていることが少なくありません。
主な原因を知ることで、正確な診断と適切な修繕につなげることができます。
(1)軟弱地盤による地盤沈下
地盤が柔らかい地域では、時間の経過とともに建物が沈下し、不同沈下(建物の一部だけが沈む現象)が発生することがあります。
特に盛土や埋立地などは沈下しやすく、築年数が経つと傾きが顕在化するケースがあります。
(2)シロアリや腐朽による土台の劣化
木造住宅の場合、土台や柱がシロアリ被害や腐朽によって弱くなると、建物全体を支えきれず、傾きが生じることがあります。
床下の通気不足や水漏れも原因となります。
(3)基礎コンクリートの劣化
ヒビ割れや鉄筋の腐食など、基礎コンクリートの経年劣化も傾きの原因です。
古い住宅では、当時の施工基準が現行より緩いため、時間の経過とともに沈下やヒビ割れが進行することがあります。
(4)施工不良や増改築によるバランス不良
新築時の施工不良や、増改築の際に構造バランスが崩れることで、建物に歪みが生じることがあります。
増築部分と既存部分で地盤や構造が異なる場合も、傾きの原因になります。
(5)地震による液状化や断層による地盤のズレ
地震の際に地盤が液状化すると、建物が沈んだり傾いたりします。
また、断層のズレによって地盤自体が移動し、建物に大きな変位が生じることもあります。
(6)台風や豪雨による土の流出・土砂崩れ
大雨や台風によって地盤の土が流されると、建物の支持力が失われ、傾きが発生します。
特に斜面地や擁壁のある住宅では注意が必要です。
4.傾いた家をリフォームする場合の費用の目安と支援制度

ここでは、傾いた家をリフォームする費用目安や支援制度についてご紹介します。
(1)傾いた家のリフォーム
工法や工事規模にもよりますが、傾いた家のリフォームはおよそ100万円台~500万円台であることが一般的です。
内装リフォームなら20万円~80万円程度で済むこともあります。ご相談ください。
(2)サッシの不具合
家が傾くことで、サッシが開きにくいなどの不具合がある場合、部品交換であれば2,000円~5万円ほど、サッシ本体の交換であれば、15万円~120万円程度が目安です。
いずれの場合も、実際の費用は現地調査が必要です。
複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
(3)火災保険・地震保険・補助金など、支援制度は活用できる?
傾きの原因が地震や台風などの自然災害によるものであれば、火災保険や地震保険の対象になる場合があります。
また、自治体によっては耐震改修や地盤補強の補助金制度が設けられていることもあります。
ただし、これらの制度には申請期限や条件があるため、傾きを確認した時点で早めに専門業者や自治体に相談することが重要です。
申請が遅れると、対象外になるケースもあるため注意が必要です。
5.市内の傾いた家をリフォームしたお客様の物語

――「もうダメかもしれない」と思った家が、再び家族の笑顔の場に――
(1)違和感のはじまり
市内の住宅(築35年・木造2階建て)にお住まいのK様は、ある日ふと、リビングのドアがスムーズに閉まらないことに気がつきました。
「最初は『古い家だから仕方ない』と軽く考えていました。でも、床にビー玉を置いてみたら、スーッと転がっていって…そのとき初めて『もしかして家が傾いているのかも』と不安になったんです」
さらに、台所の床を歩くと少し揺れるような感覚があり、ご高齢のお母様が「最近、なんだかフラッとする」と話し始めたことが決定打になりました。
(2)相談先がわからない不安
K様は、まず近所の工務店に相談しましたが、「うちではちょっと対応できない」と言われました。
次に市役所、保険会社、リフォーム会社と回っても、原因や費用がはっきりせず、不安だけが募っていきました。
「どこに相談していいかわからず、夜になると『この家、地震が来たら崩れるんじゃないか』と怖くなりました。建て替えなんて無理ですし…」
(3)専門調査で見えた“原因”
そんなとき、知人の紹介で弊社が紹介され、無料の建物診断をご依頼いただきました。
診断の結果、家の傾きは最大で2.8cm。原因は「老朽化による土台の歪み」であることが判明しました。
土台の木材の一部が腐ってきていたため、この機会に交換することになりました。
「専門用語も丁寧に説明してくれて、何が原因でどんな工事が必要なのかが初めて明確になりました。それだけでも気持ちがラクになりました」との声をいただきました。
(4)工事と家族の安心
工事は、建物の下がっている部分をジャッキポストフォームにて上に持ち上げ、土台と柱を入れ替える内容で、工期は約3週間。
居住しながらの工事でしたが、職人の方々が毎日丁寧に対応してくれたため、大きなトラブルもなく進みました。
(5)「この家で、まだ暮らしていける」
工事が完了した日、K様は床にビー玉を置いてみました。
転がることなく、そこにピタッと止まったビー玉を見て、家族みんなで思わず笑顔に。
「正直、最初は『この家はもう無理かも』と思っていました。でも、きちんと原因を調べて、信頼できる人に頼めば、家はまだまだ直せるんですね。安心して母と暮らし続けられます」
・・・・・・・
リフォームは「家を直す」だけでなく、「家族の時間を取り戻す」ことでもあります。
傾きやサッシの不具合は、決してあきらめる理由ではありません。
早めの調査と適切な対応が、住まいと暮らしの未来を守ります。
6.家の傾きをリフォームするポイントと業者選びのコツ

ここでは、傾いた家のリフォームをする場合のポイントと、業者選びのコツについてご紹介します。
(1)「技術」+「安心感」のある対応が大切
傾きや歪みの問題は、住まいの安全と直結する重要なテーマです。
しかし、同時に住む人にとっては、不安・迷い・焦りの感情が伴うものでもあります。
リフォーム・改修を行う事業者には、技術的な修繕だけでなく、
- 心理的な不安に寄り添う姿勢
- 専門用語を使わない、わかりやすい説明
- 将来を見据えた具体的な提案
が求められます。
安心して相談できるパートナーを見つけることが、問題解決の第一歩です。
業者のWebサイトに掲載されている施工事例や、クチコミなどを参考にするとよいでしょう。
(2)早期の相談が、安心とコスト削減につながる
家の傾きやサッシの不具合は、「そのうち直そう」と後回しにされがちな問題です。
しかし、早期の調査・診断・対応こそが、費用を抑え、安心して暮らし続けるための近道です。
気になる部分があれば、まずは信頼できる専門業者に相談し、現状を正確に把握することから始めましょう。
7.よくある質問

Q1. 家が傾いているかどうか、自分で確認する方法はありますか?
簡単な方法としては、ビー玉を床に置いて転がるかどうかを試す、ドアや窓の開閉具合を確認するなどがあります。
明らかな傾きがある場合は、早めに専門業者に相談し、調査を依頼しましょう。
Q2. 家の傾きは必ず直さないといけませんか?
軽度の傾きなら生活に支障がないこともありますが、放置すると体調不良や耐震性の低下につながることがあります。
資産価値にも影響するため、基本的には早めの修繕がおすすめです。
Q3. 火災保険や地震保険で修繕費用はカバーできますか?
経年劣化や地盤の自然沈下は保険の対象外ですが、地震・台風・洪水など「突発的な自然災害」が原因の場合は、保険金が下りる可能性があります。
契約内容を必ず確認しましょう。
Q4. 補助金を利用して傾いた家を直せますか?
多くの自治体では「耐震改修工事」に対する補助金制度があります。
工事が耐震性能の向上につながると認められれば、補助対象になる場合があります。
自治体の耐震診断や補助金制度を事前に確認してみましょう。
Q5. 工事にはどのくらいの期間がかかりますか?
工事内容によって異なります。内装の調整リフォームは1~2週間、サッシの調整であれば数時間~1日で完了する場合もあります。
Q6. まずは何から始めればいいですか?
まずは専門業者による現地調査を受けることをおすすめします。
調査結果に基づき、最適な工法・費用・工期の見積もりを比較して検討すると安心です。
8.まとめ

住宅が傾いてしまう原因はさまざまです。
いつか直すつもりで放置すると、日常生活だけでなく建物の資産価値にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
不具合が軽微なうちに、信頼のおける専門業者に相談することをおすすめします。
その一歩が、あなたのご家族と住まいの安心を守る確かな対策になります。
著者:新原 円香プロフィール
2000年樋口建設に入社。
1982年に父が樋口建設を立ち上げ、小さなころから、建築現場を目にしてきました。
19歳から本格的に建築の道に進み、21歳で宅建士、27歳で建築士の資格を取得。
住宅リフォームに関する技術的な知識と住宅リフォームをご検討の一般消費者の方のご相談に応じるために住宅リフォームエキスパート(増改築相談員)、戸建住宅劣化診断士などの資格も取得。
お客様が安心してご相談いただける環境づくりを積極的に行っています。
長年父と二人で工務店を営んできましたが、父も高齢で引退。
現在は、主人と、息子と三人で力を合わせ、「お客様の想いを大切にし、リフォームをさせて頂く。ものではなく、心に寄り添うリフォーム業者でありたい」をモットーに地元密着の工務店として荒木町でより一層、努力精進させていただいております。
- ・二級建築士
- ・宅地建物取引士
- ・住宅リフォームエキスパート(増改築相談員)
- ・戸建住宅劣化診断士
- ・リフォーム瑕疵保険団体検査員
- ・建築物石綿含有建材調査者


